昭和 精吾 [Seigo SHOWA]

略歴

本名 鎌田賢(かまた・まさる)。
昭和16(1941)年12月14日、満州の大日本帝国陸軍大佐であった父の官舎で誕生。
終戦間際、父の実家に引き揚げ、秋田県大館市の農家で育つ。県立大館鳳鳴高校卒業後上京、演劇の道へと進む。


1967年 劇団東俳(木村功、岡田英次、宮本信子、蜷川幸雄らが在団)演劇研究所に入所。
のち東映演劇研究所に移籍。高倉健主演『網走番外地』シリーズ、渥美清主演『初詣列車』、東映刑事物のレテ日ドラマにもチンピラ等のチョイ役で数多く出演。

1969年1月 演劇実験室◎天井桟敷入団。『時代はサーカスの象にのって』『仮面劇・犬神』『毛皮のマリー』『イエス』『書を捨てよ町へ出よう』『ガリガリ博士の犯罪』
『ブラブラ男爵』『市街劇・人力飛行機ソロモン』『邪宗門』等、1969年後半〜70年代初頭の全ての公演に参加。天井桟敷初の海外公演となるフランクフルト国際実験演劇祭にもメンバーとして参加。

1970年3月 寺山修司の呼びかけで講談社講堂にて『あしたのジョー』力石徹の告別式が行われ、弔辞を読む。

1971年 永山則夫(1997年8月死刑執行)を東京拘置所に訪ねて上演許可を取り、永山則夫『無知の涙』をもとにした作品『俺のどこかに20歳がある』を東京・大阪・京都・秋田等で上演。
同時に秋田に「奥羽企画」設立。高田渡、遠藤賢司、加川良、三上寛、山平和彦、友川かずき、モップス等、当時のフォーク勢と秋田、岩手、青森などで精力的に演劇活動とともに音楽活動も続ける。

1972年1月 渋谷公会堂にて『邪宗門』上演。くらま天狗を演じる。


1980年前後 始まっていた渋谷ジァン・ジァン主催【寺山修司連続公演】に寺山修司没後に初参加。
以降1999年閉館までライフワークとして『われに五月を』『仮面劇・犬神』『時代はサーカスの象にのって』等を上演。

閉館後は大阪、名古屋、青森、盛岡など地方やライブハウスでの公演を行う。バンド(犬神サアカス團、ストロベリーソングオーケストラ)とのコラボ、劇団A・P・B-Tokyoの寺山修司作品への客演、麻人楽(こもだまり脚本)への声の出演など、若い世代とも積極的に交流した。

自主企画以外

1984年『時代はサーカスの象にのって』パルコ劇場(演出:萩原朔美、出演:若松武ほか)、1990年『リア王』グローブ座(リア王役)、
三和銀行CM(鞍馬天狗役)、東京電力CM、ドキュメンタリーナレーション、あしたのジョー特集(MTV)や練馬区美術館にて『力石徹告別式 再現』など多岐に渡る。

執筆

花岡鉱山中国人強制労働事件を題材にした滝平二郎の版画をスライドにし、脚色演出した一人語り『花岡物語』や、秋田の新聞へのコラム連載、埼玉・映画について語る会にシネマエッセイ寄稿などの文筆活動も。

趣味

登山。山岳写真ではプロ級の腕前で「研展」入選、都美術館展示の経歴を持つ。過去に二回の個展も開催。