精吾の扉
昭和精吾について その19


「犬神」の凱旋公演を終えて我々は関西公演の準備に入っていった。
名古屋、京都、2都市で演目は「書を捨てよ町へでよう」であった。名古屋は新幹線の架橋下(モダン縁日演芸場)で本番中、時々、轟音をたてて電車が走り去っていった。「聞いたか!今、俺の熱い血の中を走りぬ けて行った」。朗読中思わずアドリブがでてしまった。爆笑と拍手が沸いた。「面 白い」寺山さんも苦笑いしていた。次の日も新幹線が通りますようにと願いつつ静かに語りはじめたが通 り過ぎたのが語り終えてからであった。次の日も次の日もタイミングがあわなかった。残念ながら名古屋公演の資料は持っていない。絵は4日後に京都新聞会館ホ−ルで上演した時のチラシである。

 

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